2019-2020年度製品総合カタログ
25/500

ひずみゲージの測定は一般にホイートストンブリッジ回路を用い、ひずみゲージの抵抗変化を電気信号に変換して求めています。1ゲージ法においてはブリッジ回路によるひずみ測定にはブリッジ4辺の抵抗値の初期不平衡値による誤差やブリッジ回路特有の非直線性誤差が発生します。当社独自の「ひずみの完全な補正法」は1ゲージ法におけるこれらの誤差をなくし、ひずみゲージやダミー抵抗の抵抗値に影響されない、出力電圧のみを使用した画期的な補正法です。●使用例-2(チェーンゲージCCFXX、CCFYX)応力集中測定用ひずみゲージ連続した受感部形状(グリッド)による新しい応力集中測定用ひずみゲージです。小型単軸ゲージを等間隔に配列した従来の応力集中測定用と異なり、受感部が連続した構造を特長としたもので、高精度のひずみ分布の測定が可能です。測定は当社ひずみ測定器に搭載された「ひずみの完全な補正法」で行います。これによりゲージリード線を従来の1/2(20本から11本)に減らすことが可能になり1素子での測定(ピーク)と複数の素子を1つのゲージとして測定(平均)するなどの新しい測定が可能となります。結線方法従来は10素子のひずみゲージを3線式で測定する場合、30本のリード線が必要でした。チェーンゲージは素子間でリード線を共有することで11本に減らすことができました。(リード線の共有で応力集中測定用ひずみゲージの小型を可能としました。この場合3線式の1本のリード線へは隣の素子が入ります。)当社の測定器を使用することで、隣の素子の抵抗値を無視することが可能です。実温度と見かけひずみの測定806040200-20100806040200-20-40-60-80-100経過時間熱出力 (μm/m)温度 (℃)温度ひずみ806040200-20100806040200-20-40-60-80-100経過時間熱出力 (μm/m)温度 (℃)温度ひずみ熱出力補正後の実ひずみ0-50-100-150-200-250-300-350-400-450-7.5 -6 -4.5 -3 -1.5 0 1.5 3 4.5 6 7.5 概要 ブリッジ回路の初期不平衡の自動補正 ひずみの完全な補正法を用いた使用例特 長●ひずみゲージ抵抗値のばらつきに伴う初期不平衡がゼロとなりゲージ率は一定になります。(抵抗値が不揃いのひずみゲージ)●ひずみゲージを曲面に貼り付けた時の抵抗変化に伴う初期不平衡のズレによる測定への影響が無くなります。●リード線抵抗の初期不平衡値への影響が無くなります。 リード線の延長に伴う抵抗値による感度低下の自動補正 リード線の温度影響による抵抗値変化の自動補正●測定器内部で1ゲージ法ブリッジを構成するダミー抵抗を自動補正●例えばこんな場合に・ひずみ測定中にリード線を延長する場合・曲面にひずみゲージを貼付けた場合・抵抗値が不揃いのひずみゲージを使用する場合・温度の影響を受けやすい場合・ひずみゲージを貼替えて試験をする場合・イニシャルを取り直して計測する場合「ひずみの完全な補正方法」は当社製データロガー、スイッチボックスにのみ標準搭載されており、ソフトウェアとしての販売はしていません。搭載データロガー:TDS-630、TDS-540、TDS-150、TDS-530、TDS-602、TDS-303、TDS-102、TC-32K、TC-31K対応スイッチボックス:IHW-50H、IHW-50G、ISW-50C/-50G、SSW-30C/-50C/-50D、SSW-10MC、ASW-30C/-50C、FSW-10/10L、CSW-5B●使用例-1 測温機能付ひずみゲージTDS-630を用いて、温度変化に伴う熱出力を自動補正し、実ひずみをリアルタイムに測定できます。ひずみゲージに添付されるデータシートに記載されている個々の熱出力式(熱出力特性)をあらかじめデータロガーTDS-630に設定しておくことで測定中の周囲の温度変化に伴う熱出力を自動補正して測定精度の向上が図れます。01000CCFXX・測定例 ボルト頭部の陥没ひずみ (M10)測定範囲(mm) -6 0 +6軸ひずみ(μm/m)ひずみゲージ接着位置陥没ひずみ(µm/m)ひずみの完全な補正法24ひずみゲージ1ひずみの完全な補正法

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る