2019-2020年度製品総合カタログ
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応力頻度解析474計測ソフトウェア6ソフトウェアによる解析手法応力頻度解析ソフトウェアによる解析手法応力頻度測定は、供用状態で部材に発生する応力を測定し、活荷重に対する必要耐荷力の有無を判断、疲労寿命の推定ができ、橋梁などの長寿命化や車両の耐久信頼性の評価を行う上で重要なファクターになります。マルチレコーダシステムなどの動ひずみ測定器により記録された動的波形データを頻度解析することで、部材に発生する応力のヒストグラム(頻度)を求めます。動的計測ソフトウェアTMR-7630-H(頻度処理)やFFT解析処理ソフトウェアDFA-7610を使用することで、マルチレコーダなど動ひずみ測定器により収録されたデータから頻度解析を後処理で行うことができます。応力頻度測定により、部材に発生する応力度の頻度分布が解かります。部材の損傷有無、補修の有効性の評価や累積疲労被害則を利用し疲労被害度(疲労寿命の推定)の評価ができます。不規則な変動荷重を受けるときの疲労寿命は、部材に発生した実働波形の頻度処理結果とS-N線図から、累積疲労被害則で推定することができます。S-N線図は材料が繰り返し応力によって破壊する回数を応力値毎に示したデータです。実際の構造物には様々なレベルの応力が加わり、その大きさと回数を数値化したものが、応力頻度結果です。累積疲労被害度は各レベルの応力と繰り返し回数によるダメージを累積した結果で、累積値が1になるとその部材が破壊することになります。その破壊に至る推測を応力頻度測定によって行います。概 要疲労寿命の推定と特長応力振幅S繰り返し回数N疲労S-N線図疲労による損傷が生じる疲労限繰り返し回数が増加しても疲労損傷は生じない範囲材料があるレベル以上の荷重を繰り返し受けると最終的には破壊すること、そして破壊を起こす荷重の大きさと繰り返し回数には一定の関係があることは、よく知られています。車両、機械、建築構造物などを構成する部材には常にランダムな荷重が作用していますが、それが部材に対してどのような疲労被害を与えているかを知ることは重要なことです。材料が受ける実働応力を計測し、頻度解析を行い材料のS-N線図と線形累積損傷則により疲労寿命評価が可能です。鉄塔など屋外設置の構造物は、気象条件によってさまざまな影響を受けます。適切なセンサとマルチレコーダシステムを用いることにより、構造物部材の応力やワイヤの張力、振動などとともに、風速、風向、気温などの頻度データが得られます。平常時に生じている微動や、強風時に発生する最大張力、振動などのデータが、整理されたヒストグラムのかたちで得られるわけです。したがって、実働状態にある構造物の挙動測定に役立ちます。ヒストグラムレコーディングの応用例●材料の疲労寿命の推定●構造物の挙動測定疲労被害度応力振幅 走行時の振動・衝撃レベル 頻度物理量+ - 極大・極小 時間 振幅など マルチレコーダ風による振動・張力レベル マルチレコーダ極大値信号波が正の勾配から負の勾配に変化した時、これを極大値と定義します。極大値が正の時はスライスレベルN-1とNとの間にある極大値の頻度をセルナンバNに、極大値が負の時はスライスレベルN+1とNとの間にある極大値の頻度をセルナンバNに積算します。実際には無効振幅Xの設定により、そのデータが正の勾配で振幅X+1以上になり、次の負の勾配で振幅X+1以上になった時のみ有効となります。極小値信号波が負の勾配から正の勾配に変化した時、これを極小値と定義します。極小値が正の時はスライスレベルN-1とNとの間にある極小値の頻度をセルナンバNに、極小値が負の時はスライスレベルN+1とNとの間にある極小値の頻度をセルナンバNに積算します。極大値と同様に無効振幅が有効となります。オーバカウント極大値・極小値がフルスケールを越えた時は最大のセルナンバとオーバカウントデータに積算します。主な頻度解析法●極大値・極小値法(PEAK-VALLEY)

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