荷重計を使用するにあたっての注意事項

荷重計は荷重計本体が直接力を受けることによって荷重を検出する変換器です。したがって荷重計を構造物の一部分として取り扱う必要があります。荷重計はその受感方向の力だけを作用させて校正しています。偏心荷重、横荷重、曲げやねじれなどが作用すると精度が低下するだけでなく、最悪の場合は破壊におよぶこともあります。

圧縮用として使用する場合

  • 荷重計を設置する場所も、当然のことながら負荷される荷重に十分耐える構造になっている必要があります。負荷で土台が変形したり、たわむことのないようにしてください。また、荷重計の底面の面圧も考慮に入れてください。
  • 必ず荷重計に垂直に荷重が作用するように設置してください。曲げモーメントやねじれば荷重計に加わらないように荷重計上部は球面になっています。球面座などを用いて荷重を受けてください。
  • 必要により荷重計が破壊した場合の安全装置を設置してください。
  • 球面座や台座などの荷重計関連製品が用意してあります。

※ 荷重が衝撃として作用する場合は、その衝撃加速度分を見込んで大きな容量の荷重計を選択する必要があります。また繰り返し負荷が連続する場合は疲労負荷となります。その場合は容量の1/2負荷の範囲でご使用ください。
※ 全ての荷重計は温度補償されていますが、急激な温度変化が生じると出力が不安定になります。荷重計本体に直射日光などが当たらない様に配慮してください。
 

 

引張用として使用する場合

  • 引張・圧縮型荷重計は引張用として使用する場合、力はねじで受けます。ねじの強度は非常に重要で、容量いっぱいまで負荷した場合、ねじ部の応力は高くなります。よって強度区分8から10 相当のねじが必要となります。
  • 吊り荷重の計測ではねじの回り止め対策を必ず行ってください。また安全率を十分にとった上で、さらに破壊による落下防止の対策をしてください。
  • ロッドエンドやアイボルトなどの荷重計関連製品が用意してあります。

※ 荷重計は密閉構造となっていますが、特殊な環境でご使用になる場合は防水性や耐食性に悪影響がありますのでご相談ください。
※ 荷重計のケーブルのシールド線は荷重計本体に接続されていません。ノイズ防止のためシールド線は測定器のE端子へ接続してください。

製品の試験成績書と銘板シールのご利用について

当社製品の変換器には個々に試験成績書が添付され、製品本体には銘板シールが付されています。成績書内の各項目には以下の試験データ(一例)が明記され、銘板シールには測定器の設定に必要な最小限のデータが明記されています。こ購入時には内容を確認の上、製品をご利用ください。

荷重計の出力極性について

ひずみゲージ式荷重計(ロードセル)の出力は引張力の増加に対してプラス方向、圧縮力の増加に対してマイナス方向に変化します。これは特定用途の荷重計(踏力計など)を除いて全ての荷重計(引張専用荷重計、圧縮専用荷重計、引張・圧縮両用荷重計)に共通です。